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ギャッベのレシピ

ゾランヴァリギャッベ

1枚のギャッベが完成するまでにはとてもとても長い時間と、織り子さんをはじめ、仕上りまで多くの人たちの熟練した技や手間暇をかけてようやくかんせいします。

ここではギャッベが出来るまでをご紹介します。

①刈り取る…大自然の中で羊を育てることから始まります。山野を放牧して歩くのは男の仕事で、大切に育てた羊の毛を刈り取ります。(豆知識:春に刈る毛はとても上質です!)

 

 

②紡ぐ…カシュガイ女性の手によって、繊維をほぐすため、手や毛すき道具を使ってすかれ、紡錘(つむ)を使って手で紡いでいきます。手で紡がれた糸は太さにバラつきが出ます。その太さの微妙に違う糸がギャッベの味わい深さを増しています。

 

 

③染める…ゾランヴァリギャッベは全て草木染めです。かつてはそれぞれのテントで染められていましたが、需要の増加・安定した商品の供給から今はゾランヴァリ社の染色工場において、厳しい管理のもと草木染めされ、再びカシュガイ女性の手元に戻され、絨毯が織られます。例えば赤色は植物染料で48時間大釜で煮て染色されます。

 

 

④織る…地面に対して水平に置かれる地機(ぢばた)と呼ばれる織り機を使います。この織り機に、びっしりと縦糸が張られます。この糸の上を子どもが歩いて渡れる程強い張りだそう。その縦糸に横糸が通されます。この平織り部分はキリム部といい絨毯のはじめと終わりに少しだけ現れます。そして絨毯特有のパイル部分をひとめひとめ織り込みます。

テントの横で織り子たちは自分で織った絨毯の上に座りながら、結んでは切り結んでは切り…1列終わると横糸を通しシャーネと呼ばれる鉄製の打込み器でシャンシャンと打ち固め、この作業を延々と続けていきます。1㎡織るのに約1ヶ月要すると言われています。

その作業風景は、作業的で殺伐としたものではなく、笑いお喋りし、明るく楽しいものです。ギャッベは図案・図面がなく頭に浮かんだイメージを織り込んでいく絨毯ですが、ギャッベの紋様がどれも明るく素朴で温かく感じるのはそういった環境の影響もあるのかもしれませんね(*^^*)

 

 

⑤焼く…織りあがった絨毯は、無駄な毛を除去するため、裏側の遊び毛が真っ黒になるほどバーナーの炎で焼き切ります。

 

 

⑥削る…表面を整え、厚さを均等にする

 

 

⑦洗う…石鹸と水で表裏各2回ずつ洗います。その後、大きな高速回転の乾燥装置で脱水。

 

 

⑧干す…脱水後、直射日光の下で干します。通常は水分が放置されると羊毛を傷めることになりますが、イランの乾燥した大気の中だからこそできる方法です。

 

⑨仕上げる…最終的なムダ毛のカットや縁の処理などを行い完成です。最終仕上げのここでしくじってしまうと、これまでの工程・労力は全て水の泡になるので、気の抜けない重要な作業です。

 

以上でようやくギャッベの完成です!!!放牧から始まり、仕上げまで。ホントに長い年月、たくさんの労力をかけて完成するのですね。紋様もそうですが、1枚1枚、それぞれに色々な想いが込められていそうです。

 

以上、ギャッベのレシピでした。

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